黒電話(ダイヤルを回して発信する電話)を使いたくなったので、使うために必要になった機材やソフトなどを紹介します。
必要なもの
- VoIPルーター(VoIPアダプタ、VoIPデートウェイ) RT57i ダイヤルパルス対応
- 黒電話 パルス長10のもの
- IP電話番号 ひかり電話や050 一般的なSIPクライアントが使えるもの
- (必要に応じて)イーサネットコンバータ 有線LANを無線LAN化する機械
VoIPルーター(VoIPアダプタ、VoIPゲートウェイとも呼ばれている場合あり)
デジタル信号をアナログ信号に変換するための機械です。注意としては黒電話はダイヤルパルスという信号でやりとりするため、対応した製品が必要です。Amazonなどで新品も売っていますが、ダイヤルパルスに非対応(≒プッシュパルスのみに対応)の製品もあるため、購入する場合は注意が必要です。今回はYAMAHAのVoIP機能付きルーターのRT57iを中古で買って使用しました。
黒電話
ダイヤルを回して発信するタイプの電話です。今はアンティーク目的で取引されていることも多いです。黒電話には電話の発信で使用するパルス長という信号の種類が10と20のものがあります。パルス長が20のものはあまり出回っていないレア物で、VoIPルーターが対応していないことも多いため、購入する場合はパルス長10のものを使用するとよいです。(パルス長20のものも使用できなくはないですが、電話の発信の際に予期しない動作をする可能性があります)
また、黒電話から伸びている接続線ははローゼット式とモジュラー式という2種類があり、VoIPルーターで使用する場合はモジュラー式を購入すると手間が減ります。ローゼット式も自分でハンダ付けなどをすればモジュラー式にできるようですが、電話の改造及び設置は工事担任者AI種の資格が必要らしいです(詳細についてはあまり把握していません……)
IP電話番号
動作確認をするためにIP電話のサービスを契約している必要があります。固定回線ではひかり電話、Webサービスでは050で始まる番号を貰えるサービスの契約が手軽です。サービスはなんでもいいわけでなく、専用アプリではなく一般的なSIPクライアントで利用できるサービスを契約する必要があります。独自のプロトコルや通信方式を使用している場合はVoIPルータにうまく連携できないことがあります。
イーサネットコンバータ
黒電話をLAN配線がない場所に設置する場合に必要になります。最終的にVoIPルータと既存のルータを配線する場合に間にイーサネットコンバータを接続することで、電源さえあれば黒電話の発着信を行えるようにできます。最初からイーサネットコンバーターを設置すると接続できないときにどこが原因かわからなくなるため、最初は有線ケーブルで接続するとよいと思います。
設定
ルーターが初期設定の場合、今回のRT57iは192.168.100.1のIPアドレスが割り当てられていますので、適当にパソコンに接続してブラウザからアクセスします。
このためだけに既存のルーターと入れ替えるのは大変だと思いますので、「詳細設定と情報」からWANをLANポートとして使えるように設定します。
すぐ下のIPアドレスについては引き続き設定を行う必要があるため、IPは固定しておいたほうが楽かもしれません。(下記の例では192.168.1.100にしています)
トップページから「電話の設定」を選択します。
次のように設定します。
ちなみに次の例はフレッツ光のIP電話で内線番号7に割り当てられたものを使用した場合です。詳細はお使いのルーターにログインして確認してください。(ルーターのアドレスは多くの場合デフォルトゲートウェイと同じアドレスだと思います)
- VoIP機能 → 使用する
- 電話ユーザー名 → IP電話サービスで指定されているものと同じにする
- 着信許可 → 電話ユーザー名が一致した場合に許可
- プレフィックス設定 ISDN 任意の番号 今回は0000としました
- インターネット電話帳 任意の番号 今回は9#としました
- QoSは通話品質が悪いときに有効にすると効果があるかもしれません。
次に一つ前の画面に戻り、「IP電話サーバの設定」を選択します。
ここにはIP電話事業者から指定された情報を入れます
下記はフレッツ光のIP電話で内線番号7を設定する例です。
- sipアドレス 必須
- サーバーアドレス 必須
- ユーザーID 必須
- パスワード 必須
- TEL2ポートとTEL2を「直接」に設定します。

トップページに戻り、下にスクロールすると接続状況が確認できます。
接続になっていれば電話の発着信を試してみてください。接続が行えていない場合は設定を見直します。
インテリアとして根強い人気がある黒電話を実際に使用するための手順をまとめてみました。実際にベル音がなると雰囲気づくりにも一役買えるかもしれませんので、よければ是非試してみてください。
0 コメント:
コメントを投稿