1.そもそも壁ズリとは?
主に3Dのゲームなどで壁に対して進むと壁沿いにズリズリしながら進むことを言うようです。今回はPythonで記述してみましたが基本的に他の言語でもベクトルの計算ができれば同じように実装できると思われます。
実装するにあたり下記のページを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
線上の最近点を求める
http://www.sousakuba.com/Programming/gs_near_pos_on_line.html
その5 反射ベクトルと壁ずりベクトル
http://marupeke296.com/COL_Basic_No5_WallVector.html
壁との当たり判定を行うために、線上の最近点を求め、その距離がプレイヤーの範囲より小さければ壁ズリを行うというようにします。
利用するライブラリやスクリプトによっては接触を検知できる関数などがあると思いますので実際はそれを利用して当たり判定の処理を簡略化するとよいと思われます。
2.ソースコード全文
以下ソースコードになります(こちらをクリックでソースコードがダウンロードできます)※ライブラリとしてPygameが必要です。import pygame,math
from pygame.locals import *
import sys
import numpy
from numpy import array
def main():
pygame.init()
screen = pygame.display.set_mode((400, 300))
pygame.display.set_caption("壁ズリ テスト")
font = pygame.font.Font(None, 30)
(x,y)=(100.0,100.0)
(a1,a2,b1,b2)=(100,200,300,100)
while (1):
screen.fill((255,255,255)) # 背景を白で塗りつぶし
#移動用のベクトルを作成
move = array([0.0,0.0])
#押されたキーによって移動用のベクトルに移動量を代入
pressed_key = pygame.key.get_pressed()
if pressed_key[K_LEFT]:
move[0]= -0.1
if pressed_key[K_RIGHT]:
move[0]= 0.1
if pressed_key[K_UP]:
move[1]= -0.1
if pressed_key[K_DOWN]:
move[1]= 0.1
#押されたキーに応じて移動量のベクトルに入れる
#移動量は壁ズリの処理が必要ないときに実行させる
#壁の描写(始点をa、終点をbとする(緑色の線)
pygame.draw.line(screen, (0,255,0), (a1,a2), (b1,b2), 5) # 直線の描画
#プレイヤーの描写
pygame.draw.ellipse(screen,(255,0,0),(x-15,y-15,30,30))
#////////////////ここから下は壁とプレイヤーに垂線を引くための計算////////
ab_v = array([b1-a1,b2-a2]) #壁のa点とb点の間のベクトル
ap_v = array([x-a1,y-a2]) #壁の点1と自分の座標の間のベクトル
#壁のベクトルabの単位ベクトルにするための一時的計算
temp = math.sqrt( pow(ab_v[0],2) + pow(ab_v[1],2) )
#壁のベクトルの単位ベクトルを計算
n_v = array([ab_v[0]/temp,ab_v[1]/temp])
#壁のa点から垂線までの距離を計算するために壁の単位ベクトルと壁の点1と自分の座標の間のベクトルの内積を計算する
temp = numpy.inner(n_v,ap_v)
#壁の始点aに壁の単位ベクトルに垂線までの距離をかけたもので垂線の座標をだす
p_v = array([a1+n_v[0]*temp,a2+n_v[1]*temp])
#ただし垂線の座標が壁のxの範囲を超えているときは補正する
if(p_v[0] <= a1):
p_v[0] = a1
if(b1 <= p_v[0]):
p_v[0] = b1
#ただし垂線の座標が壁のyの範囲を超えているときは補正する
if(a2<=p_v[1]):
p_v[1]=a2
if(p_v[1]<=b2):
p_v[1]=b2
#壁の始点aに壁の単位ベクトルに垂線までの距離をかけたもので垂線の座標をだす
pygame.draw.line(screen, (0,0,255), (x,y), (p_v[0],p_v[1]), 5) # 直線の描画
#////////////////ここまで/////////////////////
#////////////////壁ズリの計算////////
#垂線の座標とプレイヤーの座標をもとにベクトルを作る(青色の線)
housen = array([x-p_v[0] , y-p_v[1]])
#現在の座標に移動予定の座標を足したものがプレイヤーに接触するか計算するために距離を出す
kyori = math.sqrt( pow(housen[0]+move[0],2) + pow(housen[1]+move[1],2) )
#もし接触していたら
if kyori <= 15:
#法線ベクトルの単位ベクトルにするための一時的計算
temp_a = math.sqrt( pow(housen[0],2) + pow(housen[1],2) )
#法線ベクトルの単位ベクトルを計算
n_v = array([housen[0]/temp_a,housen[1]/temp_a])
#壁ズリのために修正しないといけない移動量を計算するためにベクトルの内積を計算する
temp_a = -numpy.inner(move,n_v)
x += move[0]+temp_a*n_v[0]
y += move[1]+temp_a*n_v[1]
#接触していなかったら保留していた移動を許可する
else:
x += move[0]
y += move[1]
pygame.display.update() # 画面を更新
# イベント処理
for event in pygame.event.get():
if event.type == QUIT: # 閉じるボタンが押されたら終了
pygame.quit() # Pygameの終了(画面閉じられる)
sys.exit()
if __name__ == "__main__":
main()
丁度、壁ずりや反射ベクトルを実装しようとしてました、数学苦手マンでしたがとても参考になりました、ありがとうございます!
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